読書日記(2月)
日々の楽しみの一つ
出不精になると楽しみは半減します。
電車に乗って買い物に行くとか、外食するとかは、どうしても億劫になっていきますから。
まあ年金暮らしですから、買い物や外食が減るのは支出も減っていいのですが、一方で楽しみがどんどん少なくなってきます。
今の一番の楽しみは晩ご飯です。もちろんアルコールは欠かせません。
ほぼ毎日、晩ご飯は私が作りますので、朝起きたら、スーパーのチラシをチェックし、「今日の晩ご飯、なにしょ~」
そして、もう一つが読書です。一時は年間100冊のペースで読んでいましたが、最近は少しペースダウンしているかもしれません。
私の読書日記
本は専ら図書館で調達します。
15冊予約できますので、借りたら予約を補充します。
予約が間に合わない場合は、書架で適当に探します。
図書館の良さは、詰まらなかったら途中で読むのをやめて返却できることです。
買ったらそうはいきませんからね。もったいないですからね。
そして、読んだ本の作者、題名、そして勝手な評価、感想・寸評をスマホに記録しています。
身勝手な評価は S、A+、A、A-、B+、B、B-、C の8段階です。
寸評は、中にはぼろくそに書いているのもありますが、あくまで私の勝手な感想ですから、いい加減なものです。いろいろな見方があると思ってご容赦ください。
今回はその日記ご紹介しようと思います。
2月に読んだ本を、順に過去にさかのぼる形でご紹介します。
2月29日
大山誠一郎さん「赤い博物館」 B+
捜査一課から定年間近で証拠品を管理する閑職に左遷された主人公の話。
美人で雪女みたいな館長はキャリアの落ちこぼれですが、抜群の推理能力を持ち、迷宮入りの難事件を逆転の発想で次々に解決するという短編連作です。
かなり強引な発想ですが新鮮で面白かったですね。
この作家の作品は初めて読みましたが、他の作品も読んでみようと思います。
2月24日
西村健さん「突破」 B
美女と野獣の痛快探偵アクション。
奇想天外な発想で連続殺人事件が起こりますが、少し話が長すぎて冗漫。
ミステリーというよりハードボイルドだからか、途中から展開が読めるし、内容も雑になっていきます。しかも野獣の探偵があまりにも人間離れしていて少ししらけます。
2月17日
有栖川有栖さん「怪しい店」 B+
この人の作品はきっちり丁寧に作られているので、安心して読めます。
例によって「火村シリーズ」
もう少しキャラクターつくりとか人物描写が上手ければ面白いのに、といつも思います。この火村准教授はあまりにも人間味がなく、レギュラー登場人物も薄っぺらで、どの作品もなぜか物語が味気ない感じがします。
でもトリックや仕掛けや伏線はしっかりしています。
2月12日
荻原浩さん「ギブミーアチャンス」 B
実力もないがチャンスにも恵まれない人たちを描いた短編集。
辛い話から入るので読むほうも辛い。最後にちょっとだけ報われる場面があるのが救いです。それだけ。
私、この作家の名前をずっと「萩原」と思っていました。
2月8日
小路幸也さん「マイブルーヘブン 東京バンドワゴン」 B+
番外編。この物語の語り手の堀田サチの秘密が明かされます。
戦後間もない動乱の中で、少し出来すぎた人物が古本屋に集まり、ちょっと無理のある展開で繰り広げられる冒険小説です。
東京バンドワゴンの中では一番出来が悪いですね。
2月6日
佐々木譲さん「巡査の休日」 A
北海道警察シリーズ。
おなじみのメンバーがばらばらの事件を追うところから始まります。
殺人犯の逃亡、ストーカー、ひったくり。これらの事件が最後に集約し、一気に事件が解決します。
そしてやっと休日が訪れます。
この捜査の方向は間違っていないのか?見当違いの可能性はないのか?
確信の持てない推測ばかりの捜査でありながら、やがて核心に迫っていきます。
不思議な警察小説ですが、一方で出来すぎの感もあります。
でもまあこれが小説の良さでしょうね。
2月3日
山田悠介さん「オール」 Aー
オールとは「何でも屋」のことでした。
一流企業を辞め、バイトも続かず、なんとなく見た張り紙の求人広告で何でも屋に就職した主人公。
長崎、大熊、そして所長、とんでもないメンバーにとんでもない仕事の依頼が舞い込んできます。悪戦苦闘しながらも仕事に慣れていく主人公ですが、ムードメーカーの長崎が実家を継ぐことに…。
男の友情をうまく描いたハッピーエンドな短編連作です。
2月1日
木谷恭介さん「菜の花幻想殺人事件」 B
スーパー刑事の宮之原警部が事件の被害者の女性と二人で事件の解決に挑むという、あり得ない展開。
元華族の特殊な事情とインターネットを絡めた、まさに2時間ドラマの典型的なパターンです。たまにはこういう小説もほのぼのしていいかな~。とにかく安心して読めます。